4代目田辺竹雲斎 「守破離」

大阪高島屋にて開催中の展示イベント「守破離」に行って来ました。

田辺家は180年続く花籠編みの家です。今回は4代目の展示会。テーマは守破離

守→初代から続く花籠

破→金属アートとの融合。数学との融合

離→美術。空間デザインで世界観の構築を図ったもの

 

凄まじかった。こんな感動は、南紀重国を見た時と埋忠の刀装具を見た時以来です。

 

4代目本人はとても穏やかで、ユーモアに溢れた男性でした。そんな彼が作る作品は全て「伝統工芸の正解」のような作品ばかりです。

繊細で緻密で強い。一つ一つが世界観を持っている。

「おい、目え見開いてご覧じろ。これが伝統工芸だ」

作品を見た時、自分に対してそう思いました。

伝統工芸の美は機能美です。人々の生活に合わせて変化し、洗練されて来た技術の美です。だから全てに意味がある。一本では触るだけで折れてしまうような、細さ一ミリに満たない竹の糸が花籠として組まれると、代をまたいでの実用に耐える強度を持ちます。そしてそういった長い歴史の中で足して引かれてを繰り返した技術を美術に全て使った結果が今回の破と離でした。

数学と工芸というと、なんだかキャッチーで関係の無いモノのように思えますが、長い間研究され続けた技術と数学の親和性が低い訳がありません。

とんでもない強度の世界観でした。まさに工芸でした。

 

こんな物が失われてなるものか。これが生活の中から失われた日本に何が残るのか。伝統工芸は日本人の生き方そのものだ。繋がないといけない。未来へ。

おし、気合い入れてけ。