『人生の地図』を読んで。

今回は高橋歩さんが編著した『人生の地図』を読んだので、その感想を書いていきたいと思います。

「この本は、シンプルに、自分を知るための本だ」と言う書き始めから始まるこの書籍はまさに『人生の地図』という題名がピッタリのものです。前回の読書感想文では「自由でいるために20代で捨てるべき50の事』について書きましたが、雰囲気や属性はそれとよく似ていると思います。人生を生きていく上で考えた方が良い、幸せを支える7つのキーワードに関連した言葉やイラストが詰め込まれている本です。7章の内、5章までは「何を欲しているのか」といった問いかけの形式になっているのですが、6章からは「自分自身のルールを」「物語を生きる」みたいな書き方になっています。ここの意味を考えてみましたが、思い浮かばなかったのでまた思いついたら書きましょう。

この本の大部分はイラストと空白で構成されています。文章の方が少ないんです。だからすぐに読めてしまう。だけど、内容は薄くない。書いてある事は本当に大切な事だけで、イラストと、空白と、ちょっとの言葉が読んでる内に頭の中をシンプルにしてくれます。

内容的にはこれだけなのですが、せっかくなので心に残った言葉を三つピックアップしてコメントを書いて行きましょう。

 

 

宮沢賢治の詩

 

雨ニモマケズ 風ニモマケズ

 雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち

 欲はなく 決して怒らず

 いつも静かに笑っている

 一日に玄米4号と味噌と少しの野菜を食べ

 あらゆることを

 自分を勘定に入れずに

 よく見聞きしわかり

 そして忘れず

 野原の松の林の陰の小さなかやぶきの小屋にいて

 東に病気の子供あれば

 行って看病してやり

 西に疲れた母あれば

 行ってその稲の束を負い

 南に死にそうな人あれば

 行って怖がらなくてもいいと言い

 北にケンカや訴訟があれば

 つまらないからやめろと言い

 ひでりの時は涙を流し

 寒さの夏はおろおろ歩き

 みんなにデクノボーと呼ばれ

 褒められもせず

 苦にもされず

 

 そういうものに 私はなりたい」

 

生きるという事の本質のように思います。仏や八百万の神のありかた、ヒンドゥーの世界の捉え方、そういった昔の人間の生き方の根本の一つがこの考え方だと思うんです。全くうまく言語化できないけれど、言うならば我も苦も無い、穏やかな、生きる事を楽しむ生き方。最終的に辿り着く場所はここでありたいと思います。

 

 

②ペコ『ピンポン』

 

「この星の一等賞になりたいの、卓球で俺は! そんだけ!」

 

純粋で良い。人の欲求はこのくらい純粋なのが良い。全ての行動はその人間が持つ純粋が爆発したものであるのが一番美しいと思っています。ほとんどの人はここまで先鋭化した欲求や行動をすることはないだろうけども、それでも自分を純化して、研ぎ澄まして、無駄を削ぎ落として、全部選んで、たったひとつの純粋のために生きるってのが人間一番健康的なんだと思うんです。

 

 

③p-111

 

「どちらを選ぶのがベストなのか?

 答えは教えてもらうものではなく、思い出すもの。
 全ての答えは自分の中にある。

 だから自分で決める。
 そして責任を持つ。」

 

「生きる」ってことは常に選択し続けるって事です。人間その気になれば、何を話すか、どうやって人と関わるか、どんなふうに歩くのか、どんな服を着るのか、どんな生活をするのか、果てはどんな風に感じるか、まで選択する事ができます。

 

特に今の時代は良くも悪くも超自由。自由に生きるか、不自由に生きるかまで自分で選ぶ事ができる。というか選ばざるを得ない。そして、僕含めて現代人はその自覚が圧倒的に足りていない。

 

理想を言うならば「家を出る時、右足か左足か、どっちの足から踏み出すのか」にさえ理論をもち、自らの意思で選べるのが良いんです。少なくとも「俺はこうしたい」もしくは「俺はどっちでも良い」は裏付けを持って言えなくてはいけない。そして自分の行動の結果起こることは受け入れないといけない。ケツは自分でしか拭けないんだから。

 

最後の選択権は自分の中にある事を自覚する。自分の中で選択権を握りしめる。だから自分というものをはっきりさせないといけませんね。常に自分を研ぎ澄まして、自分が何者かを見定めて、その上で我を抜いて、自分の声を聞いて責任を持って一歩踏み出す。そうやって生きていきたいと思います。

 

今回は以上で終わります。今日もお疲れ様です。